こんにちは、井殿です。今回のサンプルストーリーボードについて、少し書いておこうと思います。
今回配布したストーリーボードの後半はトリッキーなサンプルです。ですので、トリッキーは、トラッドの礎に立つ、ということについて補足しておこうと思います。 (よそでは言えない。ここだけの話にしてくださいね。)
サンプルよりも正統派で、①ルビの目的②ルビをふる③ルビを訂正する④ルビを消去する⑤ルビを振る演習、のような構成で十分なのです。構成が正統派でシンプルであることは必要なことなのです。(事務局メンバーの名誉のために、そのトリッキーなサンプルは、ほかならぬ私の作品であることをおことわりしておきますね。)
知識や口調が、どんなに華やかを装っても、宝石がどんなに高価な宝石でも、「わたしはこんなに宝石を持っていて、見せてあげてもいいわよ」と、主役の自分に送られる拍手に酔っていて、受講者は誰も、その宝石を見ていない講座もたまに見かけます。それでも「もらい運」が続くこともあります。が、それも運。
いま、真摯に正統派の技術に向き合う人にとっては、理不尽に思うことかもしれません。が、
まあ、そんなこともあります。わたし自身も今よりずっとへたくそだった時期があり、波があり、凪があって、そういうご縁に助けられて今、なのです。
そんなこんなで、トラッドを忘れない。研究を忘れない。身の丈を謙虚に受け止め、主役を受講者における、そういう意識が束になることで、IDAが出来上がりました。
お話は、とても回り道になりましたが、
なので、IDAは、トラッドを着こなし、おいしい出汁が取れていれば、トリッキーなファッションショーでなくてもいい。びっくりするような創作料理でなくても、良いのです。むしろ、トラッドを語り合えることこそが、多様な個性を語り合えるスタートなのです。
あなたにもう一度出会いたい、と思われるトラッドがしみついているデザイナー、デッサンで感動させられる画家。おしぼりひとつ渡されても感動する料亭。
その礎を語り合えるなら、パリでも京都でも、共感しあい、語り合えると思うのです。そしてその礎の理論を、ともに開発してまいりましょう。
咲く花は、生き生きとしていさえすれば自由です。