蘇生措置なのか、健康指導なのか。

更新日:1月10日

わたしが研修設計の時に大切にしていることのひとつに「救急車で運ばれてきた研修なのか、健康指導なのか区別すること」があります。つまり、徹底的に教え込んで、自動的に手が動くところまでインストラクターが働くケースは、救急患者の蘇生にあたる医師のようなケースです。呼吸できるようにする必要があるのです。そして、自立を促すための自習効果や演習効果は、健康指導室で「タバコはさあ健康にどういう害があると思う?」というようなケースです。ほかにも不定期愁訴や、いろんなケースがあることでしょう。わたしが作っている動画教材は、検索していきついたユーザーにとっては蘇生措置であり、学習習慣としていきつくユーザーにとっては健康読本のようなものかもしれません。


まだ若い頃にはこの嚙み合わせが悪くて、現場の研修設計で試行錯誤に苦しんだ時期もありました。だからこそ大切にしています。


当時、ずっと違和感があったインストラクター仲間の議論がかみ合わない根底にもこの区別が潜んでいました。「教えこむんじゃない、考えさせるんだ」派を譲らないインストラクターもいれば、「何回でも同じ質問にストレートで答える」派のインストラクターもいました。


この違和感からは「その研修は、救命救急センターへ搬送されてきて行うのか、健康指導なのか」を区別するようになってから、ずいぶん解放された気がします。


救命救急センターの医師が「なるほど、そうやって、毎回商品コードを入力しているのですね。これがずっと続いていくことを、どう思っていますか?」なんてことをしていたら即刻クビだ。かといって、健康指導室で「蘇生を試みます!」っと人工呼吸をしている医師が居たら、これまた即クビだ。


そして難しい側面は、お客様が自分の病状を知らないことからも生まれる。

代表的なのはTeams研修の設計。企画を依頼するお客様は健康指導室へ来るつもりでTeamsの使い方を研修してほしいと言う。それを真に受けて汎用的な使い方講座を行うと、組織の血みどろの争いの渦に巻き込まれるケースもある。そもそも、コミュニケーションツールの運用と組織のコミュニケーション自体がすでに瀕死に即しているケースでは、設計段階でお客様とインストラクターが握り合えていなければ、現場では、酷い場合は怒号が飛び交う。いやむしろ怒号の方が、経営トップとナンバーツーの微妙にじっとりした肌感の中で社員と一緒に蒸しあがるようなITじゃないよねこの研修・・・になるよりも良いかもしれない。(このお話しはまた別の機会に書きます。)


Teamsの現場研修では、たとえばExcelのように全機能を素晴らしいからドンドン使おうと礼賛してはいけないケースが多い。組織の理論上、やってもらいたくない機能を、ヒューマンオペレーションに依存するしかない運用ルールも多い。それを「ITインストラクターの知ったこっちゃない」と突き放すか「どっぷり深く踏み込んで解決しよう」とするかの選択は、これまた議論を呼ぶところ。タイミングやお客様との相性にも左右される。


今日書きたかったことは、IDAは、「蘇生措置派でも健康指導派でも、なんなら読影派だっていいじゃない、お客様と噛み合ってさえいれば」をスタンスとしているということだ。


蘇生や緊急手術が得意な人は、救命救急センターに勤めるべきだし、凪の会話を得意とする人は健康指導を活躍の場とすればよいかもしれない。めぐり合わせが正しければ、どちらも、人を救って、人のお役に立っている。インストラクターの研修設計もそれに似ている。

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